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2020.09.07

心地よい選択と浴衣のこと。

こんにちは、京都の着付け・着付け教室 着つけヒラリです。
レッスンに来てくださっている方から、ハンドメイドのビーズの帯留をいただきました(↑の画像)
Oさん、ありがとうございます!

昨日は婚礼前撮りの後に、浴衣の着付けに伺いました。
浴衣の着付けのご用命をいただくのは、今年そろそろ最後になるかもしれません。

毎年、8月の終わりから9月頭くらいには、
「ゆかた(夏着物)はいつまで着て良いのか」という論争を
SNSで目にいたします。

一般的な衣替えでは、
薄物・浴衣の着用期間は7-8月なので
「8月も終わりになれば、浴衣や薄物は片づけて単衣を」というお考えの方もいらっしゃいますが
気候の温暖化が進む中で、
4月も終わりになれば30度近い気温になり、
最高気温はつい先週末も35度を超え、
従来のルールに対し、
「更衣表のとおりに単衣を着るのはあまりに杓子定規で
暑い間はいつまででも浴衣を着たらよいのでは?」という意見も見られます。

実際、暑がりのヒラリは
まだしばらく長襦袢に手を伸ばすのも先送りにしたいなあと思いますし
普段着に関しては、
4月後半から9月の間は、盛夏に浴衣を着る以外にも
幾何学柄などあまり季節感のない浴衣や
古典柄でない浴衣に、半衿を合わせて単衣のきものとして
なんとなくごまかしごまかし浴衣を着ています。
自宅で簡単に手入れができる浴衣であれば
汗を気にせず着用できるので、汗かきのわたしには本当に気楽に着ていられます。
それに、自分自身は洋服のように着物を着たいと考えているので
洋服の時にそうするように、
体感に合わせて着るものを変えていきます。
そんなわけなので
「たとえ4月でも10月でも、暑ければ浴衣を浴衣として着用してどこが悪い」というお考えの方がいらっしゃることにも異論はありません。

一方で、「9月になったら浴衣は着たくない」というお考えもよくわかります。
朝夕に、ほんの少し肌寒さを感じたときに
盛夏の雰囲気を感じる浴衣を、浴衣として着るのは
なんとなく不思議な気がすることがあります。
洋服でも、きっと、たとえば春の気配を感じる陽気の日には
暦にかかわらず、重々しいコートは脱ぎたくなるでしょうし
日中暑くても、朝夕に肌寒さを感じたら、
どこかに秋を感じる要素を取り入れられる洋服を手に取り
自分の中で感じる季節感と、よりしっくりと添う装いを選びます。
「9月になったら浴衣は着納め」という方の中には
そんな風に、ご自身の中での季節感との統一感を図っていらっしゃるのだと感じます。

双方の考えをゆっくり聞けば、
どちらが正しいとか間違いとかいうものでもないように思います。
押し付けずに、各々が快適に過ごせる衣服を選べばいいのでは?というのは
七色すぎる意見でしょうか。

決まりごとは迷ったとき、困ったときの指針となってほしいもの
誰かに不愉快な思いをさせないためにあってほしいと思います。

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