きものについての印象としてよくあげられるもので、
よいものとしては
技法の繊細さや芸術性が多いように思います。
もちろん、ヒラリも独特の輪郭や色遣いから生まれる美しさや
繊細な美意識はとても好きなのですが
実はもっと目立たないところにいとおしさを感じたりもします。
着付け教室に来られた方で、初心者の方には
もちろんきものの畳み方をお伝えするのですが
そのたびに何度も感心するのは
きものが本当にきれいに平面にたためること。
どこにも無理がなく、
すっかりつじつまが合って平らにとても小さくたためることは
きものの構造をとても美しく感じさせてくれます。
もうひとつ、きもののつくりについて忘れられないことがあります。
袷のきものを初めて手に取ったとき
そのどこにも縫い目が見えなかったことに
大きな感動を覚えました。
知人の和裁士が彼女の友人へ贈った手作りのティッシュケースも
きものと同じようにすっかり縫い目は姿をひそめており
なんて丁寧な手仕事なんだろう、と
胸をときめかせたことを今でも思い出します。
きものに慣れ親しんだ方には
もしかしたらごく当然のことなのかもしれないのですが
大人になってからきものに触れはじめたヒラリにとっては
どちらも特別な魔法のように思える
きものの大好きなところです。